くいしんぼうのひとり言
懐かしの食べもの考
4月29日(日・祝)は「昭和の日」なので、今月は『懐かしの食』についてのお話です。流行りのお洒落なメニューではなく、「食べるとほっとする」「ふと無性に食べたくなる」食べもののことで、自分に元気をくれる、とても大事な食べものだと思います。
私の場合は、スパゲッティ・ナポリタン、S&Bカレー粉をまぶして焼いた鯨ステーキ、スコッチエッグ、コンビーフサンド、とん蝶、ピロシキなどなど。
中でも急に食べたくなって作るのが、スパゲッティ・ナポリタン。この料理は、戦後、GHQが滞在していた横浜のホテルの料理長が、米兵のために考案した、日本で生まれたメニューです。
アルデンテでなく、クッタリと茹で上げたスパゲッティに、チープ系ハムあるいは扇ソーセージ、玉ねぎ、ピーマンを塩・胡椒で炒め、ケチャップと隠し味の砂糖ひとつまみで味付け(最後に別に炒めておいた玉子を入れるとさらに美味!)。
ひと口食べると、イタリアのナポリの料理だと信じていた幼い頃を思い出し、毎度笑ってしまう、私の心を温かくしてくれる懐かしの味わいです。
みなさんにとっての『懐かしの食』って、何ですか?
<阪神百貨店フードアドバイザー/北野智子>